マンションの購入額がわからない場合は概算取得費控除を使用する

売却した家を取得した当時の契約書や領収書が残っておらず、取得費が分からないことがあります。そんなとき、どうやって取得費を算定し、譲渡所得から控除すればいいのか、おもに次のような方法があります。

概算取得費控除

租税特別措置法の長期譲渡所得の概算取得費控除を適用する方法。

取得費を算定

建築物単価や市街地価格指数など統計的な数値を用いて、実勢価格に近い時価相当額で取得費を算定する方法。

このうち、一般的に利用されるのは、概算取得費控除の適用です。譲渡価額(売却代金)の5%を概算取得費として控除できます。ここでは、概算取得費控除について、具体例をご紹介します。

概算取得費控除は、取得費が不明な場合でも簡単に取得費を算定できる反面、控除額が少なく、納税額が多くなる傾向があります。概算取得費控除のデメリットについて詳しくはこちらをご覧ください。

取得時期が分かれば、統計データをもとに算定する方が、実額に近い取得費を算定できます。この方法の詳細はこちらのページで紹介しています。

税金の計算

概算取得費控除について、具体例で考えてみましょう。

早く売っていれば 課税されなかったケース

相続後、しばらくは住んでいたものの引っ越して、6年前から空き家になっていた実家が、400万円で売れました。住んでいた期間は、親の代から含めて40年。取得費は不明です。この場合の税金の計算方法は?

このケースは、住まなくなってから6年経っているので、3,000万円の特別控除の特例は使えません。譲渡所得から控除できるのは、取得費と譲渡費用です。

取得費は不明なので、売却価額の5%を概算取得費として控除します。売却価額400万円の95%にあたる380万円に税金がかかります。

税額は、所得税(15%)とその2.1%の復興特別税、住民税(5%)の合計で、約77万2,000円です。所有期間は10年を超えていますが、住まなくなって6年経過しているので、長期譲渡所得の軽減税率の特例も使えません。

取得費のほか、譲渡費用として、売却したときにかかった仲介手数料や測量費、収入印紙代などが、売却価額から控除できます。これらの控除額に上の税率をかけた分の税額が安くなります。

3,000万円の特別控除の特例や長期譲渡所得の軽減税率の特例が使えるのは、居住しなくなって 3年目の12月31日までに売却したときです。住まなくなって 3年目の12月31日までに売却しきることが大切です。

税金がかからないケース

相続して住んでいた実家を2,500万円で売却。50年ほど前に親が購入した家で、取得費は不明。この場合の税金は?

自分が住んでいた家を売却したので、居住用財産の3,000万円の特別控除の特例が使えます。売却金額が2,500万円なので、譲渡所得から全額控除でき、税金はかかりません。取得費が分からないと悩む心配はありません。

仮に、3,400万円で売却していたとすれば、3,000万円の特別控除で残る400万円から取得費と譲渡費用を控除します。

取得費は不明なので、先のケースと同様に、売却価額400万円の5%を概算取得費として控除。380万円に税金がかかります。

この場合、長期譲渡所得の軽減税率の特例が適用されますから、税額は、10%の所得税とその2.1%の復興特別税、4%の住民税の合計で、約54万円です。

さらに、譲渡費用として控除できる分だけ、税金が安くなります。

実額控除がベター

概算取得費控除は、売却金額に応じて一律に控除額が決まるので、取得費が不明でも控除が認められるのがメリットです。しかし一方で、売却価額の5%しか控除が認められないので、税額が高くなります。

契約書や領収書が残っていなくても、実際の取得価額を証明できる書類があれば、実額控除が可能です。その方が節税効果が高くなります。

また統計データを用いて、実勢価格に近い時価相当額で土地建物の取得費を算定する方法もあります。

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